先日、疎遠の叔父から祖母が亡くなったというお手紙とともに遺産分割協議書が届きました。
叔父は祖母と二人で祖母名義の自宅で生活をしていたようで、祖母名義の自宅を叔父の名義に変更したいので、亡き父の娘であり、祖母の代襲相続人である私に、遺産分割協議書に署名押印をして、印鑑証明書と一緒に送って欲しいと書かれていました。
私は叔父とも祖母とも長い間疎遠のため、遺産分割協議書に署名押印して返送してよいものかどうか、専門家に相談がしたいと思いご連絡させてもらいました。
まず、遺産分割協議書に署名押印して印鑑証明書を叔父に返送した場合、それが遺産の処分行為とみなされて、単純承認となり相続放棄できなくなってしまう可能性が高いです。
ご相談者は、疎遠であった祖母の自宅は必要なく、すべて放棄したいということでしたので、それであれば家庭裁判所で相続放棄することをおすすめしました。
仮に、遺産分割協議で財産を放棄した場合は、負の財産も放棄できると勘違いされている方が多いのですが、家庭裁判所で相続放棄の申述が受理されなければ、負の財産(=借金等)は放棄できません。
そこで、叔父さんには相続放棄の手続きをこれからする旨を伝え、相続放棄の手続き完了後に相続放棄申述受理証明書を送ることを伝えることにしました。
その後、相続放棄の申述は受理され、家庭裁判所より相続放棄受理証明書が送られてきたので、それを叔父さんに送りました。
後日、叔父さんから無事に祖母の名義から叔父の名義に変更できたと連絡があったそうです。